2017-01-01

あけましておめでとうございます!


あけましておめでとうございます!
旧年中は大変お世話になりました。

2016年は自分の周りを見ても、
社会全体の動きを見ても、
これまでの体制や環境が変化して、
新しいバランスを懸命に探そうとする人が
多かったように思います。
みなさんもきっとそれぞれの場所で

頑張っていらっしゃいますよね。

2012年にオランダから家族と帰国後、
収入だけでなく、健康面も精神的にも
不安定だった数年間の中で、
自分の働き方に悩み、模索した僕でしたが、
今はさまざまな方からご支援をいただき、
アートや教育分野でフリーランスとして
仕事をする機会をいただいています。

家族を養うにはまだまだ不十分な経済状況ですが、
自分の好きなことで社会に奉仕して生きていくという決意を、
家族や友人、仕事の仲間や地域の方たちに
応援してもらえている自分は本当に幸せ者です。

こどもとアートをつなぐ活動

さて、代表を務めるアトリエ・ラーノでは、
2012年秋の活動開始以来、音楽やダンスを始めとする
さまざまなアート活動や芸術教育事業を行ってきました。
活動5年目に入った2016年は
乳幼児の親子向けプロジェクト『トパのオトノバ』の始動や、
子育てについてのセミナー講師にも挑戦。
町田自然幼稚園、正和幼稚園での特別活動の指導など、
乳幼児とアートをつなぐ取り組みにぐっと足を踏み出した年でした。

2011年に長男を授かり父親となったことで、
子育てとアートの関わりを当事者目線でも考えるようになりました。
そうした中でオランダのイエナプラン教育、
アドラー心理学とコーチングなど、この数年独自に学んできたことが、
2016年の幼児を中心とした活動の中で
これまでの
音楽やダンスなどの経験とともに
1つにまとまっていくような感覚がありました。

『トパのオトノバ』の冒頭、ざわざわした会場で
僕が鍵盤ハーモニカを演奏し始めた途端に、ぱっと静かになり
こちらに目を向ける子どもたち。
生演奏のもつ力に自分自身がはっとする瞬間でしたし、
こうした体験をもっと多くの子どもたちに届けたいと改めて感じました。

先日、幼稚園の3歳児クラスで、自分たちで描いた絵を
音楽にするという体験授業をやってきたのですが、
給食の後で教室にあった絵本を開いてみせ、
「この曲がったの(豆の木)は、ぐるぐるビューン!」と
早速、”音のなる本”に早変わりさせている男の子。

たくさんの子どもたちと関わっていると、
それぞれが持つ個性の違いに本当に驚きますし、
「人はみんな創造性に溢れて生まれてくるんだ」
ということを確信する日々です。

社会の中でその違いがそのまま尊重され、
才能が伸びていくような多様な環境を
おとなたちが用意しなくてはと強く思います。
自分の特性や経験が生きる「こども」というフィールドに
出会えたことに感謝するとともに、
今後もさらに技術や感性を磨いていきたいと思います。

《旅、出会い、広がり》

振付家、外山晴菜と結成したユニットaotenjoも
本格的に動き出し、関東のほか大阪や京都などへも
ワークショップをしに出かけました。
弘前大学の集中講義で1月雪深い青森にも初めて足を伸ばし、
9月には4年半ぶりのオランダへ家族4人で訪れるなど、
各地を旅し、多くの出会いや再会ができたことも
昨年を彩る楽しい思い出です。

オランダではいわゆる観光ではなく、海辺でのんびりとか
向こうに住む友人たちと食事したりと、
ゆったりとした時間を過ごしたことが本当に贅沢な時間でした。
地に足をつけ自然とともに居ることの豊かさを再確認。

娘にオランダの思い出を聞くと「ジュース飲んだねー」と
往復の機内でいつもは制限されるジュースが飲み放題だったことが
一番嬉しかったようです。トホホ。


《創造すること、自由と責任》

作曲家、笠松泰洋さんのアシスタントとして
歴史ある草月ホールでの演劇公演に関われたことや、
卒業した愛知県立芸術大学の50周年記念事業に作家として
作品を発表できたことも光栄に感じています。
また鍵盤ハーモニカや作曲などの活動を、
東京新聞や中日新聞で取り上げていただき、
多くの方に活動を知っていただく機会も得ました。

政治や経済は、ますます個人の自由ある暮らしや
文化の多様性を危うくする方向に動いているように思えますが、
こういう時代だからこそ、こどもたちの笑顔や、
心の安らぎのために、アートができることも多いように思います。
自分にできることはほんとうに小さなことですが、
つなぎ、発見し、創造する活動を通して、
これからも社会に変化をつくり出していきたいと思います。

それでは2017年が皆さまにとって
喜びに満ちた一年となられますようお祈りいたします。

2017年1月1日
酉年生まれの 橋本知久