『カワウソと恋愛』西陣ファクトリーGarden
『カワウソと恋愛』(振付・演出 山田珠実)見てきました。
珠実さんの人間的な魅力を感じる舞台。僕がオランダに渡る前、愛知芸大の学生だった頃に何度か舞台をお手伝いしたのですが、その頃と変わらない愛情を感じ、ハグされたような安心感。
そして友人というひいき目あるかもだけど、カイゲンこと小倉笑の佇まいは独特で、やはり面白いダンサーだと再確認しました。カイゲンとは2012年に京都へ何度も通っていたダンスワークショップで出会い、一緒にシーンを作ったりしました。なにか、こう、へそ曲がりな感じがいいんだな。今後の活躍、期待してるぜ〜。
「カワウソと恋愛」
西陣ファクトリーGarden
6/14(土)19時、15(日)16時、20(金)19時
演出・構成・振付・照明:山田珠実
ダンス:岡村果林、小倉笑、帯金史、定行夏海、中根千枝
音響・音楽編集: 野田雅巳
http://bit.ly/1tYwk2t
かつて織工場だった古町家を使った会場の西陣ファクトリーGardenは板とコンクリ壁や古い梁や柱など味のある空間。床起きの電気スタンドなどシンプルな照明。出演者は二十歳くらいの女の子ばかり5人。
音楽はバルトーク弦四に始まり湯浅の電子音楽、シューベルトのピアノ曲など、結構がっつりクラシック系。子どもの時の想い出など出演者による語り&録音が挟まる。グレーや淡い草色の衣装の中で赤いスカートの一人が目を引く。最後の方から持ち出される金属製の円柱が床を転がる音が雨音を聞いた後の耳に心地よい。
動きで言えば冒頭シーンが1番速くて揃った振付。全員のステップでスニーカーがダッダッキュッと音をたてる。ユニゾンがむしろ一人ひとりの違いを浮き立たせる。若さは弱点であり魅力。照明卓を山田自ら舞台横で操作する姿が見えるからか、こちらも親のような気分で彼女たちのひたむきなダンスを温かい気持ちで見守る。ぐっと見せる目の強さや、ポワントの力強さ。かと思うとくにゃっと崩れる。一瞬一瞬のそれら儚さにタイトルの恋愛をみる。一筋縄にはいかない。
5人は似ているがそれはまだ歳が近いからこその類似点で、今後は離れていく人々だとも予見させる。奥にある彼女らの性質を見抜いたそれぞれを活かしたシーン作りに、演出家山田のセンスを感じた。
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