2016-08-22

生のものと火を通したもの|稽古場レポート4 creation report 4

演劇的ダンス『生のものと火を通したもの』
《稽古場レポート4》

どうにもこのチームでの稽古日は雨になるらしい、というか今日は・・


町田で外山晴菜さんと僕の二人での作業だったんだけど、
朝から台風接近で暴風雨!!
予定通り集まったものの、
稽古場に辿り着く前に、
頭から足までずぶ濡れになってしまいました。

***

2014年にWINDS CAFE『音の食卓』で「生のもの」という
題をつけて上演したものを今回大幅に改定して再演することにしたのだけど、
客観的な視点が欲しかったので外山さんに共同演出をお願いしました。
現時点でも、本当に頼んで正解だったなと感謝しています。

抽象的な作品でも、コンセプチュアルなものでも、
玄人ウケする作品でもなくて、もっと自分自身の生きていること、
暮らすこととつながるような創作の形を模索していて、
311から3年経った2014年に、やっとその原点のようなアプローチを
外に出すことができました。

今回はさらに見せることを意識して、
研究者ナオトと音楽家キエコという夫婦、
ジャーナリストのナオミという登場人物を設定して、
台本を作り直すところから作業をはじめました。

2011年のオペラ『胡蝶の夢Butterfly Dream』でも自分で台本から作りましたが、
その時は能の「土蜘蛛」という原作があったので、
今回はぜんぜん違った難しさがあります。でも、それが面白いんですけど。


まずはピアノや小物の楽器を使ってシーン2の音楽を録音。
そこから全体構成の練り直し。
今回は久しぶりにセリフありの台本も書いていて、
僕は語って踊って、鍵ハモも演奏します。
「ナオト」という役を設定してはいますが、
311以降に自分が体験したことをベースにしているドキュメンタリー的な作品。
スピーチのようなモノローグ部分もあるんだけど、
実際に経験していることだから語ろうと思えばいくらでも話せてしまいます。

だから「届けたいメッセージをなるべくシンプルに」。
実際に読んだり、動きにしたり、音を入れて試したりしながら、
言葉を削ったり、並べ替えたりという台本上の修正作業も繰り返しています。

そして会場も劇場ではなく、講義室での上演です。
幕も照明もないし、予算もないので美術もほぼ無し。
シンプルな環境の中で、自分自身の体験を舞台化する。
さらけ出すような覚悟で臨んでいます。
ぜひご覧いただけたら嬉しいです。


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愛知県立芸術大学創立50周年記念展示「芸術は森からはじまる」関連企画
サウンド・イベント森羅<SHINRA> 第6日「パフォーマンス」
せきみつほ、高山葉子、橋本知久の3名の作家が
学内の各所で繰広げる、身体表現を主体とした作品の上演。
http://botadc.main.jp/shinra/

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演劇的ダンス『生のものと火を通したもの』

日時 2016年9月18日(日)17:00 開演(16:50 開場)
会場 愛知県立芸術大学 講義棟 3階 第1講義室
《入場無料》

【作・演出】橋本知久
【共同演出】外山晴菜

出演:橋本知久、松縄春香、寺本みなみ


舞台監督:堀江善弘(afterimage / exit)

https://www.facebook.com/events/645964215571973/

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