2016-08-13

生のものと火を通したもの|稽古場レポート3 creation report3

演劇的ダンス『生のものと火を通したもの』
《稽古場レポート3》


稽古後にみんなで韓国料理を食べながらいろんな話。

なわちゃん(松縄さん)に
「フェイスブックに書いていた黒燿石を磨いているのは何で?」って聞いたら、
新宿で夜中に聞いた太鼓の音から茅野市の御柱祭につながって、
鹿の皮、黒燿石を探しに行って見つけたことまで着地する、
びっくりストーリーが聞けてしまった。なわちゃん、オモロイ。

9月18日(土)に上演する『生のものと火を通したもの』に
松縄春香さんに出演者として参加してもらうことが決まった。
最近では小池博史さんの演出の『マハーバーラタ』などで演出助手を
しているパフォーマー。今回が初めての共演となる。

僕と外山さんに松縄さんが加わって、三人での稽古。
外山さんリードでのアップ。
前回はしりとりしながら動いてみたが、今回は古今東西。
花、国、魚などテーマを変えつつ、単語をつぶやきながら動いてみる。
お互いの動きを真似るゲームを、主従関係を変えながら続ける。
そんな感じで、お互いのこれまでの経験や発想をダンスを通して知っていく。
会話するように。

後半は僕がリードして、呼吸とからだのワーク。
死ぬまでずっと続けている呼吸だけど、
日常では意識していることって少ないと思う。
「呼吸」という言葉は吐くと吸うを意味しているけど、
その間に「止める」という中間の領域を意識的に持つことができる。

呼吸といえば肺。肺には筋肉はついてなくて、
肺自体を動かそうとしてもそれは無理。
周りの筋肉や骨格で空間の大きさが変わることで、
肺が縮んだり膨らんだりして空気が出入りしている。

この日の呼吸ワークのポイントは息を止めている時の状態を観察すること。
「止める」のではなくて、
体のいろいろな場所の弛緩のバランスがある状態に保たれる結果、
「止まった状態になる」という発想を持ってみること。

食べたり呼吸したり、INとOUTの間は
外には見えてこないが、消化吸収のフェーズとして、
確かにからだは動き続けている。

そんな視点を持って、
「吸う、止める(止まる)、吐く」の反復を
呼吸と動きの関係へと深めて、探っていった。

帰り道。雨に濡れたアスファルトに街灯が反射してキラキラと光る。
さっき話した「黒燿石」がふと浮かぶ。

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演劇的ダンス『生のものと火を通したもの』

日時 2016年9月18日(日)17:00 開演(16:50 開場)
会場 愛知県立芸術大学 講義棟 3階 第1講義室
《入場無料》

【作・演出】橋本知久
【共同演出】外山晴菜

出演:橋本知久、松縄春香、寺本みなみ

舞台監督:堀江善弘(afterimage / exit)

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「芸術は森からはじまる」愛知県立芸術大学創立50 周年記念展示
サウンド・イベント森羅 第6日「パフォーマンス」
2016年9月18日(日)
3名の作家が学内の各所で繰広げる、身体表現を主体とした作品上演

◎せきみつほ 『3つのマサパージェ』(約10分)
12:30- 食堂前付近 / 15:00- 美術棟付近 / 17:50- 講義棟下・バス停側

◎高山葉子 鍵盤楽器奏者のための幻灯的舞台作品〈ソナチネ〉ver.SHINRA
開場15:45 開演16:00 (上演時間約30分)
会場:新音楽棟・大演奏室A

◎橋本知久 演劇的ダンス『生のものと火を通したもの』
開場16:45 開演17:00 (上演時間約30分)
会場:講義棟3階・第一講義室

http://botadc.main.jp/shinra/

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