6月11日に高校のダンス部向けに行ったワークショップまとめの続きです。
まとめ(その5)ではムーブメントワークの中から、
「トリシャ・ブラウンのキューブ」について紹介しました。
この記事では、ワークショップで取り上げた課題の中から
「LMAでのモチーフ変容」について紹介します。
LMAとはLaban Movement Analysisの頭文字をとった表記です。
僕はオランダにいる時にダンスの授業で勉強しました。
詳細にやるとそれこそ本が一冊書けるような内容なので、
ワークショップでも少しだけエッセンスを取り入れた程度です。
LMAではダンスの分析にBody, Effort, Shape, Space という四要素を用います。
その中の「Effort」の考え方を使って、動きを広げていくやり方を紹介しました。
日本語に意訳すると「動きの性格」というのが近そうですが、
元の用語は「内的な意識」という意味で使われています。
Space: Direct / Indirect
Weight: Strong / Light
Time: Sudden (or Quick) / Sustained
Flow: Bound / Free
という四つの軸を使って、動きのイメージを把握していくのがEffort。
簡単に説明しておくと、
それを直線的か、定まらない方向かという違い:Space、
軽いのか重いのかというWeight、
ぐーっと伸びていくのか、びゅんっと瞬間的かというTime、
漂っていくのか向かっていくのかというFlow、
の四つの座標軸。もちろんこれらは同時に含まれるし相互に影響する。
例えば「右手を外側に伸ばす」というモチーフでも、
これらの質的な問いを向ける事で、その動きはいろいろな性格を帯びる事になります。
言葉だけではうまく伝わってないかもしれませんが、
動きの変化を実際に見てもらいながら、
こうしたパラメーターを使ってチューニングしていく考え方がある、
というところまでをWSでは紹介しました。
これはすぐにできるようになる内容でもないので、
あくまでも概念を渡すぐらいしかできませんでしたが、
頭のどこかに残って今後のムーブメントリサーチをしていく中で
取り組んでもらえたらいいなと願っています。
続きます。
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