2016-03-15

幼児期の「できた!」という経験が自尊感情を高める

先日、調律師三矢さんの紹介で伊勢原山王幼稚園を訪問し、園長先生たちとお話をしてきました。古くから霊山として信仰されてきた大山の麓。この日も霧に包まれた大山はなんだかちょっと怖いような、自然が見守る土地だなぁと感じました。



伊勢原山王幼稚園は定員360名という普通の倍以上もある大きな園です。2歳からメロディオン(鍵盤ハーモニカ)に取り組んだり、跳び箱も全員ができるようになって10段を跳ぶ子が何人もいたり、(10段ですよ、身長を越える壁のような高さ!)カラフルな絵本ノートで1000冊を越える読書をする子が出たりと、それはそれは素晴らしい実践を続けていらっしゃいます。少子化の中、毎年園児の数が増えていっているというのも納得できました。

「できた!という経験を幼児期に沢山持って、小学校に行って欲しい」と話されていました。“必ず全員ができるようになる”という信念のもと毎日の積み重ねや試行錯誤が、こういう結果を出しているようです。見習わなくては。

世界中で行われた子どもの自尊感情に関する調査では、国によらず幼稚園あるいは保育園から小学校に入学すると、「自尊感情」ががくんと下がることが報告されています。自尊感情というのは自信や、自分には価値があるんだと肯定するような気持ちのこと。大学入試につながっていくような偏差値による評価とか言語や数字・論理を中心とした教育の中で、比較され萎縮していく子どもたち。



全員が大学教授や研究者になるわけではないのですから、きっともっと多様な学びの形と、健康や幸せになるための生きていく力や自ら学ぶ力が育つような環境をつくっていく必要があるのでしょうね。人の思考のベースになる部分は6歳頃までにできあがると言われています。幼少期に沢山の失敗と挑戦から自信をつけた子どもたちは、きっと社会をたくましく豊かにしていってくれると思います。

さて、4月に伊勢原山王幼稚園で保育士の皆さんに音楽・表現教育についてのセミナーをやらせていただける事になりました。ことばやからだと繋げながら、技術はもちろん音楽を通して表現力を伸ばす具体的な方法を話す予定です。ものすごく忙しく沢山のカリキュラムをこなして頑張っている先生方。短い時間でも効果的な指導ができるように、少しでもお役に立てる話ができるように準備を頑張ります。

園で写真を撮り忘れたので、駅で大山の写真をパシャッ。


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