2016-03-29

自由に音で遊ぶために




行きは登りでしんどかったこのなが〜い階段でしたが、帰りは眺めもいいし、気分もよかったです。軽快に小走りで降りていく小学生と、ゆっくりと歩みを進める高齢のおばあさまにすれ違いました。

今日は大類朋美先生のスタジオにお招きいただき、即興と音楽教育についてお話してきました。

先生は洗足学園や国立音楽大学でのピアノ指導をされています。大学で指導する中で、学生さんがそれまで長い期間音楽を学び続け、さまざまな理論を学び、難しい曲を弾きこなす技術を身につけても、卒業後に音楽自体をやめてしまう人も沢山いることに問題を感じているとか。

地域社会のいろいろな人と音楽を通したつながりを目指して、「ティーチング・アーティスト」として活動するピアニストでもあります。リサイタルを開催するほか、地域の小学校、美術館、養護施設等でのアウトリーチ活動を川崎市を拠点にリトルクラシックという名前で展開されています。

こうした指導や活動の中で、編曲や即興の力に可能性があるのではないかと思い、自ら勉強を始められたそうです。初めてお会いしたのは昨年神戸で開催された日本音楽即興学会の大会でした。1つ前の京都大会で僕が発表した「即興を軸にしたソルフェージュ授業の研究発表」にも関心を持ってくださっていたそうで、今回はその時の内容を中心に、クラシックの演奏につながる即興を使った授業アイディアをお話しました。

理論と実践をつなぐ即興についていろいろ話していると、子どもの時には自由に遊べているのに、だんだん知識や経験が増えることが自由を奪っているのではないかという気もしてきます。自由に音で遊ぶための心構えを考えるよい機会となりました。

大類先生と久保田慶一先生との共著「音大生・音楽家のための英語でステップアップ〜音楽留学で役立つ英会話50シーン」(スタイルノート、2014)もオススメです。留学する前に欲しかったなぁ、こういうの。

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