6月11日に高校のダンス部向けに行ったワークショップまとめの続きです。
まとめ(その8)では質疑応答で話した事について紹介しました。
この記事がレポートの最後。全体のまとめです。
2時間半ぐらいのワークショップだったわりには、
かなりの内容を詰め込んでしまいましたが、
集中力のある生徒さん達で、打てば響くとでもいうのか、
生き生きと反応してくれました。
毎年作品を神戸のコンクールに持っていっている伝統もあり、
過去の先輩たちの作品をビデオなどで見ているそうです。
真似たり盗むのが学びの基本にあると思いますが、
一方で発想が広がるような機会も必要だろうということで、
今回のような構成となりました。
沢山渡したツールやアイディアのどれかでも残って、
ゆっくりと消化していってくれればいいなと思っています。
作品が今後どう変化するのか楽しみです。
以前から音響での関わりはあったとはいえ、
7年前に音楽で教育実習にこの高校へ行った時は
ダンス面から指導の機会をいただくことになるとは想像していなくて、
自分でもこの数年間の自身の舞台創作へのアプローチの変化に
感慨深いものがありました。
図書館にもふらっと寄ってみました。
名物のチョーク画の伝統は続いているようでしたが、
僕が寄った日はちょうど書き換えの時だったみたいで、何も書かれていませんでした。
残念。美術科の生徒さん達が名画をチョークを使って図書館の黒板に描くんですが、
あれは本当に見事なものです。
横に高橋由一『鮭』が掛けてあったので、次回作はあれになるんでしょう。
大学で同期だった高木さんが音楽教諭として赴任されていると聞いて音楽室も訪問。
久々の再会も果たし、いろいろ充実の母校訪問となりました。
2012-06-29
2012-06-27
ダンスWSまとめ(その8) ─質疑応答で話した事
6月11日に高校のダンス部向けに行ったワークショップまとめの続きです。
まとめ(その7)では空間のための課題の中から
「シーンメモリーとモーフィング」について紹介しました。
この記事ではWSの最後に質疑応答で話した事について。
美術の発想がダンスでも使えるということ。
何がやりたいのか分からないと言われる事が多いのですが。」
という質問から出た話だったと思います。
ただ大事なことは、作り手自身が分かってつくる事が大事なだけで、
それが正確に観客に伝わるかどうかは、実はあまり大切ではないと僕は思っています。
でも厳密に言うと、言葉では説明できないから作品にしているというのも事実。
分析したり、うまく説明するのは評論家の仕事で作家ができなくてもいいはずです。
とはいえ、自分や自分の作品を客観的に見るためにも言語化していくのは大事。
その辺りが参加者みんなにちゃんと届いてなかったのかも。
今度会った時に確認しよう。
アイディアや意味や、動き自体の面白さなどなど、
作品創作の出発点はなんでも良いし、どれも正解。
それにいろんな始まり方をしたパーツが
混ざっているというのが実際は多いと思います。
まとめ(その9)では全体を振り返ってみたいと思います。
つづく
まとめ(その7)では空間のための課題の中から
「シーンメモリーとモーフィング」について紹介しました。
この記事ではWSの最後に質疑応答で話した事について。
一通りワークを終えて感想を聞きました。
(美術科の学生)立体にした時には違うと思っていたけど、絵を描く時の発想がダンスにも使えるんだと思った。それから集団で構成を考える面白さもあった。自分が思っていることと違う発想を誰かがする。それでも面白い構図ができあがっていくのがよかった。振付家に渡された動きをそのままやるだけでなく、
ダンサーがクリエーションに参加する集団創作が
現代においてはかなりスタンダードなやり方になってきています。
1人では出ないような発想まで行き着けるところが、
共同制作の醍醐味ですよね。
1人では出ないような発想まで行き着けるところが、
共同制作の醍醐味ですよね。
美術の発想がダンスでも使えるということ。
絵の構図もそうだろうし、自分の事を言えば、時間をどう構成するかという
音楽で学んだ作曲composition=構成の知識は絵以上にダンスと近いものがある。
彫刻を学べばどう立つかを学べるだろうし、写真をやれば照明のアイディアや
どう印象を残すかというセンスを磨ける。簡単に言えば、どんなことだって、
別の領域に生かす事はできると思います。
もっと言えば、接客の仕事だって、料理をつくる事だって、
書類をつくる仕事だって、恋愛だってなんでもつながってる。
長くなりそうだから、このテーマはまた別の機会に。
もっと言えば、接客の仕事だって、料理をつくる事だって、
書類をつくる仕事だって、恋愛だってなんでもつながってる。
長くなりそうだから、このテーマはまた別の機会に。
構図の話から、いつも舞台上で動いていなくても大丈夫ということを話しました。
たとえば始まってから終わるまで50センチしか動いていないとか。
動かない事がもたらす印象の強さ。
印象の連続がダンスならば、風景の連続をつくることは十分ダンスになっていく。
ビル・ビオラの(肖像画のような動画)作品だって、
見方によってはダンスになっていると思います。
印象の連続がダンスならば、風景の連続をつくることは十分ダンスになっていく。
ビル・ビオラの(肖像画のような動画)作品だって、
見方によってはダンスになっていると思います。
(3年生)まずゆっくり動くことは体の内部からのパワーを使うと思った。「アイディアから出発するのか意味から始めるのか。
力を入れてる姿と入れていない姿の差が大きくて、動いてないかくらいの速さで動いているものを作品に入れるというのが面白いと思った。
それから作品の構成をするにあたって意味や流れを先行して考えるのではなく、見えるものを見せることや、見ている人の分かりやすさを追求することを考えることが必要だと思った。
何がやりたいのか分からないと言われる事が多いのですが。」
という質問から出た話だったと思います。
ただ大事なことは、作り手自身が分かってつくる事が大事なだけで、
それが正確に観客に伝わるかどうかは、実はあまり大切ではないと僕は思っています。
でも厳密に言うと、言葉では説明できないから作品にしているというのも事実。
分析したり、うまく説明するのは評論家の仕事で作家ができなくてもいいはずです。
とはいえ、自分や自分の作品を客観的に見るためにも言語化していくのは大事。
その辺りが参加者みんなにちゃんと届いてなかったのかも。
今度会った時に確認しよう。
アイディアや意味や、動き自体の面白さなどなど、
作品創作の出発点はなんでも良いし、どれも正解。
それにいろんな始まり方をしたパーツが
混ざっているというのが実際は多いと思います。
まとめ(その9)では全体を振り返ってみたいと思います。
つづく
2012-06-26
ダンスWSまとめ(その7) ─シーンメモリーとモーフィング
6月11日に高校のダンス部向けに行ったワークショップまとめの続きです。
まとめ(その6)ではムーブメントワークの中から、
「LMAでのモチーフ変容」について紹介しました。
この記事では、空間のための課題の中から
「シーンメモリーとモーフィング」について紹介します。
この日最後に行ったワークが「シーンメモリーとモーフィング」。
ここまで動きや形の発想を広げる課題をやってきたのですが、
最後に少しだけ、空間構成にも触れてみようと紹介しました。
#1:風景をつくる
集団で風景をつくる体験をしてもらいました。
まずは全員で空間全体を眺めます。
そして自分をその空間のどこに置きたいか、
庭をデザインするような感覚でイメージしてもらいます。
思いついた1人がそこへ移動して立ちます(座っても良い)。
するとその人が入った事で空間のバランスが変わります。
また次の人は新しいバランスの空間で自分をどこに置きたいかイメージ。
移動して立ちます。
こうして、三人四人と続けていって、その空間の構図を考えていきます。
ある人数まで行ったところで完成として、その位置やお互いの距離感、
向いている方向やポーズを覚えてもらいます。
そしてシーン1と番号をつけます。
#2:シーンを増やす
一旦全員端に戻ってもらいリセットし、同じ要領で別のシーンをつくります。
これをシーン2として覚えてもらいます。
このあと空間構成の操作ツールとして「転写」や「縮小/拡大」などを使って、
バリエーションを増やしていき、シーン3、4などシーンを増やしました。
#3:モーフィング
映像で使われる手法のモーフィングってご存じでしょうか?
リンゴの写真が徐々に郵便ポストの写真に変わっていくような効果のこと。
これを先ほどまでにつくった4つのシーンを使って、
各シーンからシーンへ徐々に移動してもらう課題をやってみました。
この手法は空間全体というレベルで使う事もできますし、
体の形をAからBに変えるというようなレベルに適用する事もできます。
一人一人の動きを探す事も大事なことですが、
観客がもつ舞台の印象において、全体の構図はとても大きな影響力を
持っています。そんなところが伝わったらいいなと思ってやった内容でした。
まとめ8では質疑応答で話した事を書きます。
つづく
まとめ(その6)ではムーブメントワークの中から、
「LMAでのモチーフ変容」について紹介しました。
この記事では、空間のための課題の中から
「シーンメモリーとモーフィング」について紹介します。
この日最後に行ったワークが「シーンメモリーとモーフィング」。
ここまで動きや形の発想を広げる課題をやってきたのですが、
最後に少しだけ、空間構成にも触れてみようと紹介しました。
#1:風景をつくる
集団で風景をつくる体験をしてもらいました。
まずは全員で空間全体を眺めます。
そして自分をその空間のどこに置きたいか、
庭をデザインするような感覚でイメージしてもらいます。
思いついた1人がそこへ移動して立ちます(座っても良い)。
するとその人が入った事で空間のバランスが変わります。
また次の人は新しいバランスの空間で自分をどこに置きたいかイメージ。
移動して立ちます。
こうして、三人四人と続けていって、その空間の構図を考えていきます。
ある人数まで行ったところで完成として、その位置やお互いの距離感、
向いている方向やポーズを覚えてもらいます。
そしてシーン1と番号をつけます。
#2:シーンを増やす
一旦全員端に戻ってもらいリセットし、同じ要領で別のシーンをつくります。
これをシーン2として覚えてもらいます。
このあと空間構成の操作ツールとして「転写」や「縮小/拡大」などを使って、
バリエーションを増やしていき、シーン3、4などシーンを増やしました。
#3:モーフィング
映像で使われる手法のモーフィングってご存じでしょうか?
リンゴの写真が徐々に郵便ポストの写真に変わっていくような効果のこと。
これを先ほどまでにつくった4つのシーンを使って、
各シーンからシーンへ徐々に移動してもらう課題をやってみました。
この手法は空間全体というレベルで使う事もできますし、
体の形をAからBに変えるというようなレベルに適用する事もできます。
一人一人の動きを探す事も大事なことですが、
観客がもつ舞台の印象において、全体の構図はとても大きな影響力を
持っています。そんなところが伝わったらいいなと思ってやった内容でした。
まとめ8では質疑応答で話した事を書きます。
つづく
ダンスWSまとめ(その6)ーLMAでのモチーフ変容
6月11日に高校のダンス部向けに行ったワークショップまとめの続きです。
まとめ(その5)ではムーブメントワークの中から、
「トリシャ・ブラウンのキューブ」について紹介しました。
この記事では、ワークショップで取り上げた課題の中から
「LMAでのモチーフ変容」について紹介します。
LMAとはLaban Movement Analysisの頭文字をとった表記です。
僕はオランダにいる時にダンスの授業で勉強しました。
詳細にやるとそれこそ本が一冊書けるような内容なので、
ワークショップでも少しだけエッセンスを取り入れた程度です。
LMAではダンスの分析にBody, Effort, Shape, Space という四要素を用います。
その中の「Effort」の考え方を使って、動きを広げていくやり方を紹介しました。
日本語に意訳すると「動きの性格」というのが近そうですが、
元の用語は「内的な意識」という意味で使われています。
Space: Direct / Indirect
Weight: Strong / Light
Time: Sudden (or Quick) / Sustained
Flow: Bound / Free
という四つの軸を使って、動きのイメージを把握していくのがEffort。
簡単に説明しておくと、
それを直線的か、定まらない方向かという違い:Space、
軽いのか重いのかというWeight、
ぐーっと伸びていくのか、びゅんっと瞬間的かというTime、
漂っていくのか向かっていくのかというFlow、
の四つの座標軸。もちろんこれらは同時に含まれるし相互に影響する。
例えば「右手を外側に伸ばす」というモチーフでも、
これらの質的な問いを向ける事で、その動きはいろいろな性格を帯びる事になります。
言葉だけではうまく伝わってないかもしれませんが、
動きの変化を実際に見てもらいながら、
こうしたパラメーターを使ってチューニングしていく考え方がある、
というところまでをWSでは紹介しました。
これはすぐにできるようになる内容でもないので、
あくまでも概念を渡すぐらいしかできませんでしたが、
頭のどこかに残って今後のムーブメントリサーチをしていく中で
取り組んでもらえたらいいなと願っています。
続きます。
まとめ(その5)ではムーブメントワークの中から、
「トリシャ・ブラウンのキューブ」について紹介しました。
この記事では、ワークショップで取り上げた課題の中から
「LMAでのモチーフ変容」について紹介します。
LMAとはLaban Movement Analysisの頭文字をとった表記です。
僕はオランダにいる時にダンスの授業で勉強しました。
詳細にやるとそれこそ本が一冊書けるような内容なので、
ワークショップでも少しだけエッセンスを取り入れた程度です。
LMAではダンスの分析にBody, Effort, Shape, Space という四要素を用います。
その中の「Effort」の考え方を使って、動きを広げていくやり方を紹介しました。
日本語に意訳すると「動きの性格」というのが近そうですが、
元の用語は「内的な意識」という意味で使われています。
Space: Direct / Indirect
Weight: Strong / Light
Time: Sudden (or Quick) / Sustained
Flow: Bound / Free
という四つの軸を使って、動きのイメージを把握していくのがEffort。
簡単に説明しておくと、
それを直線的か、定まらない方向かという違い:Space、
軽いのか重いのかというWeight、
ぐーっと伸びていくのか、びゅんっと瞬間的かというTime、
漂っていくのか向かっていくのかというFlow、
の四つの座標軸。もちろんこれらは同時に含まれるし相互に影響する。
例えば「右手を外側に伸ばす」というモチーフでも、
これらの質的な問いを向ける事で、その動きはいろいろな性格を帯びる事になります。
言葉だけではうまく伝わってないかもしれませんが、
動きの変化を実際に見てもらいながら、
こうしたパラメーターを使ってチューニングしていく考え方がある、
というところまでをWSでは紹介しました。
これはすぐにできるようになる内容でもないので、
あくまでも概念を渡すぐらいしかできませんでしたが、
頭のどこかに残って今後のムーブメントリサーチをしていく中で
取り組んでもらえたらいいなと願っています。
続きます。
2012-06-25
ダンスWSまとめ(その5) ─トリシャ・ブラウンのキューブ
6月11日に高校ダンス部で行ったワークショップまとめの続きです。
まとめ(その4)ではムーブメントワークの中から、
「ダンスディクテーション」について紹介しました。
この記事では、ワークショップで取り上げた課題の中から
「トリシャ・ブラウンのキューブ」について紹介します。
(2)トリシャ・ブラウンのキューブ。
60年代のアメリカ、ジャドソン・ダンス・シアターでは実験的な試みが
いろいろ行われていました。その1人トリシャ・ブラウンは
動きのタスクを与える仕組みを考えていました。
彼女が考えたツールの1つがキューブという発想。
横軸(左、真ん中、右の3つ)と縦軸の高さ(上、腰の位置、床)を交差する
9つの点がある面をイメージ。
それらを手やつま先、膝とか体のパーツで射していきます。
今度はその面が奥行きを持って3枚になります(自分の前、横、後ろ)。
これであなたの周りを取り囲む27個の点で構成されたキューブができあがり。
この想像上のキューブの各点を先ほどと同様、体のいろいろな部分で触っていきます。
同時に2カ所、3カ所と触ったり、点と点をつなぐ動きを入れたり。
そうした動きをダンスとして構成する事をトリシャは考えたのでした。
空間の中でどう体を使っていくかということを
外部環境をグリッドで仕切って考えていく発想は
ルドルフ・ラバンも似た方法を使っていますし、
ウィリアム・フォーサイスのImprovisation Technologyにもつながっていく発想です。
1つ1つ動作をつくっていく振付ではなくて、
体の形を空間の中にどう置くかという制御システムをつくったともいえます。
ダ・ヴィンチの人体図を思い浮かべてもいいかもしれませんが、
この手の届く大きさの仮想キューブは、とても便利な道具で、
イマジネーションを使って、いろんな風に空間で遊べます。
たとえば、このキューブが2倍に広がったらどうか。
逆にどんどん小さくなって来て、自分がつぶされそうになりながら、
ポイントアウトをつづけるとどうなるか。
トリシャがやった方法だと、各点に番号を割り振って、
番号を並べる事で、その番号の場所を通る動きをつくるということもできます。
バレエのフォームをこのグリッドの中で考えたり、
自分のやっている形を把握するためにも役立ちます。
僕のワークショップではこのキューブというアイディアを渡した後に、
肩の後ろとか、鼻とか、お尻とかあまり意識して使わない部位で
触っていくことを指示したり、点と点を直線でつなぐだけじゃなくて、
曲線にしてみたりジグザグにするなど、その経過を楽しむことなど
タスクを加えていきました。
注意した事は、次にどこに向かうのかを決めてから動き始めるということ。
このイマジナリーキューブという道具はとっても単純なので、
慣れてくると適当に動いてしまったりするのですが、
あくまでもトレーニングなので、意識的に空間の中で体を動かして
いくことがとても重要です。ただし全部計画するのではなくて、
開始点と着地点だけ決めたら、あとはその時の感覚に任せて、
体を動かしていくと「こんなところにも行けるんだ」という
自分自身の動きの発見があって楽しめます。
まとめ(その6)ではLMAでのモチーフ変容について書く予定です。
続きます。
まとめ(その4)ではムーブメントワークの中から、
「ダンスディクテーション」について紹介しました。
この記事では、ワークショップで取り上げた課題の中から
「トリシャ・ブラウンのキューブ」について紹介します。
(2)トリシャ・ブラウンのキューブ。
60年代のアメリカ、ジャドソン・ダンス・シアターでは実験的な試みが
いろいろ行われていました。その1人トリシャ・ブラウンは
動きのタスクを与える仕組みを考えていました。
彼女が考えたツールの1つがキューブという発想。
横軸(左、真ん中、右の3つ)と縦軸の高さ(上、腰の位置、床)を交差する
9つの点がある面をイメージ。
それらを手やつま先、膝とか体のパーツで射していきます。
今度はその面が奥行きを持って3枚になります(自分の前、横、後ろ)。
これであなたの周りを取り囲む27個の点で構成されたキューブができあがり。
この想像上のキューブの各点を先ほどと同様、体のいろいろな部分で触っていきます。
同時に2カ所、3カ所と触ったり、点と点をつなぐ動きを入れたり。
そうした動きをダンスとして構成する事をトリシャは考えたのでした。
空間の中でどう体を使っていくかということを
外部環境をグリッドで仕切って考えていく発想は
ルドルフ・ラバンも似た方法を使っていますし、
ウィリアム・フォーサイスのImprovisation Technologyにもつながっていく発想です。
1つ1つ動作をつくっていく振付ではなくて、
体の形を空間の中にどう置くかという制御システムをつくったともいえます。
ダ・ヴィンチの人体図を思い浮かべてもいいかもしれませんが、
この手の届く大きさの仮想キューブは、とても便利な道具で、
イマジネーションを使って、いろんな風に空間で遊べます。
たとえば、このキューブが2倍に広がったらどうか。
逆にどんどん小さくなって来て、自分がつぶされそうになりながら、
ポイントアウトをつづけるとどうなるか。
トリシャがやった方法だと、各点に番号を割り振って、
番号を並べる事で、その番号の場所を通る動きをつくるということもできます。
バレエのフォームをこのグリッドの中で考えたり、
自分のやっている形を把握するためにも役立ちます。
僕のワークショップではこのキューブというアイディアを渡した後に、
肩の後ろとか、鼻とか、お尻とかあまり意識して使わない部位で
触っていくことを指示したり、点と点を直線でつなぐだけじゃなくて、
曲線にしてみたりジグザグにするなど、その経過を楽しむことなど
タスクを加えていきました。
注意した事は、次にどこに向かうのかを決めてから動き始めるということ。
このイマジナリーキューブという道具はとっても単純なので、
慣れてくると適当に動いてしまったりするのですが、
あくまでもトレーニングなので、意識的に空間の中で体を動かして
いくことがとても重要です。ただし全部計画するのではなくて、
開始点と着地点だけ決めたら、あとはその時の感覚に任せて、
体を動かしていくと「こんなところにも行けるんだ」という
自分自身の動きの発見があって楽しめます。
まとめ(その6)ではLMAでのモチーフ変容について書く予定です。
続きます。
2012-06-21
ダンスWSまとめ(その4)ーダンスディクテーション
台風も過ぎ去って、今日は青空ものぞく良い天気でしたねえ。最近我が家では麦茶をピッチャーにつくって飲んでおります。夏よのぉー。
それは兎も角。
6月11日に高校ダンス部で行ったワークショップまとめの続きです。
まとめ(その3)では彼らがつくっている作品を観たときのコメントの中から、
「シーンの機能」と「アイディアを整理する」ということを書きました。
この記事では、ワークショップで取り上げた課題の内容について。
制作中の作品を見せてもらった事で、彼らがどんな動きの素材を使っているのか
だいたい分かりました。
印象として動きの質感が単調だったので、
動きのボキャブラリーを広げるために幾つかのワークをやってみました。
メニューは大きく三つ。
(1)主従交代をしながら模倣ーダンスディクテーション。
(2)トリシャ・ブラウンのキューブ。
(3)LMAでのモチーフ変容。
全部で15人だったので3グループに別けて行って行きました。
(1)最初にやったのが一番前に立っている人の動きを真似して行くというもの。
英語の勉強にシャドーイング/ディクテーションというのがありますが、
それをダンスでやるような感じです。
グループで先頭に立っている人がリーダー。他のメンバーはリーダーの
動きを真似します。動いている途中で、
たとえば90度回転すると先頭の人が変わるので、
今度はその人がリーダーになって続けます。
メンバーのそれぞれの持っている動きのボキャブラリーを交換することになるので、
どんな興味を持っているのかなどが共有できて面白いです。
このとき回転によって新しくリーダーに成る人は、
前の人の動きを途切れさせないようにうまく引き受けながら、
自分の動きを始めるのが大切。回転を入れなければずっとリーダーを
続けられる訳ですが、それではつまらないので時々回転しましょう。
そして回転してリーダー役を譲る時は、次の人に「動きを渡すイメージ」
を持つとグループ全体の一体感が出てきます。
スピードを変えたり、たまには止めたり、動きのキャラクターを
前の人と違うものにしたり、ずらしていったりと、
メンバー間でのやり取りを楽しみましょう。
この課題は普段一緒に活動していない人が集まった時の
最初のワークなどにお薦めです。
まとめ(その5)ではトリシャブラウンのキューブを紹介します。
つづく。
それは兎も角。
6月11日に高校ダンス部で行ったワークショップまとめの続きです。
まとめ(その3)では彼らがつくっている作品を観たときのコメントの中から、
「シーンの機能」と「アイディアを整理する」ということを書きました。
この記事では、ワークショップで取り上げた課題の内容について。
制作中の作品を見せてもらった事で、彼らがどんな動きの素材を使っているのか
だいたい分かりました。
印象として動きの質感が単調だったので、
動きのボキャブラリーを広げるために幾つかのワークをやってみました。
メニューは大きく三つ。
(1)主従交代をしながら模倣ーダンスディクテーション。
(2)トリシャ・ブラウンのキューブ。
(3)LMAでのモチーフ変容。
全部で15人だったので3グループに別けて行って行きました。
(1)最初にやったのが一番前に立っている人の動きを真似して行くというもの。
英語の勉強にシャドーイング/ディクテーションというのがありますが、
それをダンスでやるような感じです。
グループで先頭に立っている人がリーダー。他のメンバーはリーダーの
動きを真似します。動いている途中で、
たとえば90度回転すると先頭の人が変わるので、
今度はその人がリーダーになって続けます。
メンバーのそれぞれの持っている動きのボキャブラリーを交換することになるので、
どんな興味を持っているのかなどが共有できて面白いです。
このとき回転によって新しくリーダーに成る人は、
前の人の動きを途切れさせないようにうまく引き受けながら、
自分の動きを始めるのが大切。回転を入れなければずっとリーダーを
続けられる訳ですが、それではつまらないので時々回転しましょう。
そして回転してリーダー役を譲る時は、次の人に「動きを渡すイメージ」
を持つとグループ全体の一体感が出てきます。
スピードを変えたり、たまには止めたり、動きのキャラクターを
前の人と違うものにしたり、ずらしていったりと、
メンバー間でのやり取りを楽しみましょう。
この課題は普段一緒に活動していない人が集まった時の
最初のワークなどにお薦めです。
まとめ(その5)ではトリシャブラウンのキューブを紹介します。
つづく。
2012-06-14
はじめてのコンビニFAX
ワークショップの申込書をFAXで送らないといけなかったが、
我が家は固定電話を契約していない。だからFAXもない。
情報を得たのがネットからだったのに、
申し込みはメールで受け付けてくれればいいのになあ。
なんて言っても仕方ないか。
というわけで、
はじめてのコンビニFAXに挑戦!
確かコンビニで送れるんだよね。。とウェブで検索して確認。
うん、可能らしい。
近所のローソンに行って、店員さんに「FAXどこから送れますか?」
と聞いて教えてもらった。
なんだ、そうか!!
普通のコピー機から送るのですね。
我が家は固定電話を契約していない。だからFAXもない。
情報を得たのがネットからだったのに、
申し込みはメールで受け付けてくれればいいのになあ。
なんて言っても仕方ないか。
というわけで、
はじめてのコンビニFAXに挑戦!
確かコンビニで送れるんだよね。。とウェブで検索して確認。
うん、可能らしい。
近所のローソンに行って、店員さんに「FAXどこから送れますか?」
と聞いて教えてもらった。
なんだ、そうか!!
普通のコピー機から送るのですね。
国内だけじゃなくて海外送信もできるんですね。
そかそか。
で、国内送信を選んで、
料金が50円もするのか。け、結構高いな。。
(やっぱりメールで受け付けてくれい。)
送信先の番号を押して、
原稿をコピーと同じ要領でセット。
読み取らせて、
そうしーーん!!
できましたー。
やったー。なんだ簡単じゃん。
というわけで、はじめてのコンビニFAX無事に成功しました。
でも、相手にちゃんと届いているのだろうか。
不安だ。。
高校生とダンスワークショップまとめ(その3)
6月11日に高校生と行ったダンスワークショップまとめの続きです。
まとめ(その2)では彼らがつくっている作品を観たときの感想の中から、
袖の使い方について書きました。この記事では、残りの気になったことについて。
約4分の作品を観て気になった事としては、
(1)袖の使い方。横の移動が多すぎやしないかい?
(2)真ん中に集まる場面でやりたいことがよく分からない。
(3)アイディアが多すぎてどこを見せたいのか分かりにくい。
というのがあったと書きました。
(2)はステージセンターに投げ込まれた「何か」に
数人が群がり、そのうち1人がリフトされて上にあがるというシーンだったんですが、
この作品においてそのシーンが残す印象がこの説明を越えない感じがしたのです。
シーンの長さや動き、目線など、もちろん同じアイディアでもいろいろと
演出の仕方で変わってくる部分も多いとはいえ、この時はもう少し基本的な意味で、
そのシーンがなぜ必要だったのか分からなかったんです。
論文じゃありませんし、音楽やダンスなど抽象的な芸術というのは
いろいろな解釈ができるのが魅力の1つだと思いますが、
それでもそのシーンを見せる事で
どんな印象を観客に残したいのか
というのは作品構成を考える時に(特に整理したいときに)重要ですよね。
や、もちろん理屈じゃなくつくってもいいんですよ。
アートなんだから感覚でオッケー。ただそこから作品を練っていくとすると
どういう方向からアプローチするのかという可能性として。
正解はない。シーンの機能なんて考えて説明してしまったら、
つまんなくなっちゃうってことも起こる事はありますからね。
(3)の「アイディアが多すぎてどこを見せたいのか分かりにくい。」
というのは僕自身も作品作りでいつも難しく感じているところです。
作品をつくり始めると、アイディアが沢山出てきます。
その中から選んで行く必要があるんですよね。
メッセージや手法、アイディアというのはシンプルなほど強力になったりします。
次から次へと新しい動きやフォーメーションが展開されると、
折角その1つ1つに違った面白いアイディアが入っていても、
観客には伝わらずに「慌ただしい」という漠然とした印象を
残す結果になってしまうことも。それって、もったいないですよね。
創作の過程でアイディアが沢山あるというのは歓迎すべき事。
まずは沢山アイディアを出してそこから必要な要素に絞り込んで行く作業を
経ると作品は強度を増していくことができます。
まだ夏の発表までには時間があるので、
どんなふうに作品が変化して行くのか楽しみです。
まとめ(その4)以降では
ワークショップで扱ったムーブメントを生み出す課題について
書き進めて行きます。
まとめ(その2)では彼らがつくっている作品を観たときの感想の中から、
袖の使い方について書きました。この記事では、残りの気になったことについて。
約4分の作品を観て気になった事としては、
(1)袖の使い方。横の移動が多すぎやしないかい?
(2)真ん中に集まる場面でやりたいことがよく分からない。
(3)アイディアが多すぎてどこを見せたいのか分かりにくい。
というのがあったと書きました。
(2)はステージセンターに投げ込まれた「何か」に
数人が群がり、そのうち1人がリフトされて上にあがるというシーンだったんですが、
この作品においてそのシーンが残す印象がこの説明を越えない感じがしたのです。
シーンの長さや動き、目線など、もちろん同じアイディアでもいろいろと
演出の仕方で変わってくる部分も多いとはいえ、この時はもう少し基本的な意味で、
そのシーンがなぜ必要だったのか分からなかったんです。
論文じゃありませんし、音楽やダンスなど抽象的な芸術というのは
いろいろな解釈ができるのが魅力の1つだと思いますが、
それでもそのシーンを見せる事で
どんな印象を観客に残したいのか
というのは作品構成を考える時に(特に整理したいときに)重要ですよね。
や、もちろん理屈じゃなくつくってもいいんですよ。
アートなんだから感覚でオッケー。ただそこから作品を練っていくとすると
どういう方向からアプローチするのかという可能性として。
正解はない。シーンの機能なんて考えて説明してしまったら、
つまんなくなっちゃうってことも起こる事はありますからね。
(3)の「アイディアが多すぎてどこを見せたいのか分かりにくい。」
というのは僕自身も作品作りでいつも難しく感じているところです。
作品をつくり始めると、アイディアが沢山出てきます。
その中から選んで行く必要があるんですよね。
メッセージや手法、アイディアというのはシンプルなほど強力になったりします。
次から次へと新しい動きやフォーメーションが展開されると、
折角その1つ1つに違った面白いアイディアが入っていても、
観客には伝わらずに「慌ただしい」という漠然とした印象を
残す結果になってしまうことも。それって、もったいないですよね。
創作の過程でアイディアが沢山あるというのは歓迎すべき事。
まずは沢山アイディアを出してそこから必要な要素に絞り込んで行く作業を
経ると作品は強度を増していくことができます。
まだ夏の発表までには時間があるので、
どんなふうに作品が変化して行くのか楽しみです。
まとめ(その4)以降では
ワークショップで扱ったムーブメントを生み出す課題について
書き進めて行きます。
2012-06-13
高校生とダンスワークショップまとめ(その2)
6月11日のダンスワークショップまとめの続きです。
まとめ(その1)では彼らがつくっている作品を観たときのコメントの中から、
作品の構成について「冒頭にテーマを出す」ということを書きました。
この記事では、その他に気になったことについて。
もちろん作品を観ていないと、分かりにくい部分もあると思うんですが、
これを書いているのは「どういうことに着目しているのか」
ということが共有できると、読者の方から別の考え方など教えてもらえるのでは
ないかということも期待して書いております。
約4分の作品を観て気になった事として他には、
(1)袖の使い方。横の移動が多すぎやしないかい?
(2)シーンの機能。真ん中に集まる場面でやりたいことがよく分からない。
(3)要シェイプアップ。アイディアが多すぎてどこを見せたいのか分かりにくい。
といったことがありました。
まずは(1)の袖の使い方について。
舞台下手上手の袖を使おうとするために、
ステージを横に移動するシーンが多すぎる印象がありました。
舞台作品でプロセニアムで区切られたステージは一種絵におけるの額縁。
袖は出演者が出番の前に待っている場所ですね。
作品の外側として、出演者を観客から見えなくする役割ができます。
便利なんですが、見せてもらった段階の印象では使い過ぎの感。
16人の出演者を多いと思うか少ないと思うかというのも、
(これで別の記事が書けそうですが、)
この袖の使い方に多少影響しているような気もします。
時間内にステージ上の人数を換えようとしすぎなのか、
何度も出たり入ったりするんですよね。4分間で。
そもそも意図的というよりそうなってしまったのかもしれませんが。
端的に言えば「落ち着かない。」
舞台上にいても、フォーメーションを工夫したりする事で、
ずっと沢山の人がいる印象にならないようにできると思います。
(2)はそのシーンがどういう効果を持っているのかというお話。
まとめ(その3)に続きます
まとめ(その1)では彼らがつくっている作品を観たときのコメントの中から、
作品の構成について「冒頭にテーマを出す」ということを書きました。
この記事では、その他に気になったことについて。
もちろん作品を観ていないと、分かりにくい部分もあると思うんですが、
これを書いているのは「どういうことに着目しているのか」
ということが共有できると、読者の方から別の考え方など教えてもらえるのでは
ないかということも期待して書いております。
約4分の作品を観て気になった事として他には、
(1)袖の使い方。横の移動が多すぎやしないかい?
(2)シーンの機能。真ん中に集まる場面でやりたいことがよく分からない。
(3)要シェイプアップ。アイディアが多すぎてどこを見せたいのか分かりにくい。
といったことがありました。
まずは(1)の袖の使い方について。
舞台下手上手の袖を使おうとするために、
ステージを横に移動するシーンが多すぎる印象がありました。
舞台作品でプロセニアムで区切られたステージは一種絵におけるの額縁。
袖は出演者が出番の前に待っている場所ですね。
作品の外側として、出演者を観客から見えなくする役割ができます。
便利なんですが、見せてもらった段階の印象では使い過ぎの感。
16人の出演者を多いと思うか少ないと思うかというのも、
(これで別の記事が書けそうですが、)
この袖の使い方に多少影響しているような気もします。
時間内にステージ上の人数を換えようとしすぎなのか、
何度も出たり入ったりするんですよね。4分間で。
そもそも意図的というよりそうなってしまったのかもしれませんが。
端的に言えば「落ち着かない。」
舞台上にいても、フォーメーションを工夫したりする事で、
ずっと沢山の人がいる印象にならないようにできると思います。
(2)はそのシーンがどういう効果を持っているのかというお話。
まとめ(その3)に続きます
2012-06-12
高校生とダンスワークショップまとめ(その1)
朝寝ぼけて扉にぶつけた左肩がまだ痛い。バカ・・。
それは兎も角。
2012年6月11日(月)に行ったダンスワークショップのまとめです。
この日は午前中愛知県芸大でソルフェージュの授業をしたあと、
午後からダンス部の指導のために旭丘高校へ。
2005年に教育実習で行って以来だったから7年ぶりの訪問でした。
夕方からダンス創作のためのワークショップをやってきました。
冒頭で夏の大会に向けた創作作品を少し拝見。
毎年神戸で行われる創作ダンスの甲子園のような大会で、
全国の高校や大学のダンスサークルが作品を持ちよる企画です。
ダンスフェスティバル神戸のウェブサイトはこちら
空間構成や各シーンの方向性が見えにくいところなど気になった事をいろいろ注文。
4分間という時間制限がある中で、やりたい事やメッセージを伝えるというのは
大変なことですが、逆にまとめるためのとてもいい勉強になります。
一番最初にテーマを出そう!
というのが流れについて言った事。
これはプレゼンのHow Toなんかと基本は同じですよね。
順番に説明して、説明して、最後に「結論」という構成よりも、
まずは「言いたい事はこれだ!」と先に言ってしまう。
あるいは状況設定や世界観などをバンっと最初に出す。
そうすると
残りの時間をその心構えで観客/聞き手に過してもらえるわけです。
4分しかないならなおの事。
もちろんそこはアートですから、
説明するというよりは、作品を表す象徴的なものとかモチーフが
その役割をすることになるかと思います。
小説、映画や演劇でも「何についての作品か」
最初の1ページ、数分間で分かるようになっているものが多いと思います。
見せてもらった制作途中の作品にも、
テーマを端的に表せるシーンがあったんですが、
結構後半に配置してあったので、
それを冒頭でやってはどうかと提案してみました。
まとめ(その2)に続く
それは兎も角。
2012年6月11日(月)に行ったダンスワークショップのまとめです。
この日は午前中愛知県芸大でソルフェージュの授業をしたあと、
午後からダンス部の指導のために旭丘高校へ。
2005年に教育実習で行って以来だったから7年ぶりの訪問でした。
夕方からダンス創作のためのワークショップをやってきました。
冒頭で夏の大会に向けた創作作品を少し拝見。
毎年神戸で行われる創作ダンスの甲子園のような大会で、
全国の高校や大学のダンスサークルが作品を持ちよる企画です。
ダンスフェスティバル神戸のウェブサイトはこちら
空間構成や各シーンの方向性が見えにくいところなど気になった事をいろいろ注文。
4分間という時間制限がある中で、やりたい事やメッセージを伝えるというのは
大変なことですが、逆にまとめるためのとてもいい勉強になります。
一番最初にテーマを出そう!
というのが流れについて言った事。
これはプレゼンのHow Toなんかと基本は同じですよね。
順番に説明して、説明して、最後に「結論」という構成よりも、
まずは「言いたい事はこれだ!」と先に言ってしまう。
あるいは状況設定や世界観などをバンっと最初に出す。
そうすると
残りの時間をその心構えで観客/聞き手に過してもらえるわけです。
4分しかないならなおの事。
もちろんそこはアートですから、
説明するというよりは、作品を表す象徴的なものとかモチーフが
その役割をすることになるかと思います。
小説、映画や演劇でも「何についての作品か」
最初の1ページ、数分間で分かるようになっているものが多いと思います。
見せてもらった制作途中の作品にも、
テーマを端的に表せるシーンがあったんですが、
結構後半に配置してあったので、
それを冒頭でやってはどうかと提案してみました。
まとめ(その2)に続く
トモカクカクシカジカ
西へ東へデクノボウ 日々の記録を忘れぬうちに
カクカク三角また来て四角 音楽美学にぶんちゃっちゃ
文書く文化 核か本気か 地球価格か チクチク駆逐
時を刻むは音かココロか
ぽっかり空いた空の穴 ムクチ舞台を舞うカラダ
コロリ転げた兎のダンス
ウサギの頭に鹿の角 つのつのツンツンいつの事
今はドコかな昔かな 明日は晴れかな曇りかな
仮名文カナブン 青空文庫
ブンブクチャガマのがま口ガエル
そろそろ変える 僕らは帰る
来た角曲がって 未来に向かえる
2012年6月12日 橋本知久
兎角この世は住みにくい
智に働けば角が立つ 情に棹させば流されるツノウサギってのは実際にはいない生き物らしいね
意地を通せば窮屈だ 兎角この世は住みにくい
──────夏目漱石『草枕』冒頭より
ありえないものでも あったら面白いなって考える
それが想像力
この世は住みにくいですかね 漱石さん
だから僕たちは なにか生み出そうとするのでしょうか
新しいブログを始めました
タイトルは僕の名前をかけている
なんてことはどうでもいいのだけどさ
それは兎も角
よろしくどうぞ
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